現在法人を営んでいますが、節税について簡単に教えてください。

中小企業において、節税と一般的に言われている項目については下記の項目となります。

但し、現金支出が伴うものであったり、課税の繰延効果に過ぎないものもありますので、過度の節税にはご注意ください。

また、個人でできる節税については、こちらをご参照ください。

生命保険 数年間の支払が条件となりますが、医療保険や解約返戻金のある保険に加入することで節税になることがあります。また、保険の種類によっては、支払った金額全額経費になるものばかりではありませんので、経理処理上は注意が必要です。
倒産防止共済掛金(経営セイフティー共済) 月5千円から20万円までの掛金を設定できます。800万円が限度。支払った金額全額が経費となります。期末日まで支払いが要件となり、年払いも可能です。但し、解約時に全額雑収入となるため、いわゆる出口戦略が大切です。個人事業の場合など出口戦略を明確化できない場合には、お勧めできません。
また、令和6年税制改正により、令和6年10月以降に解約される場合には、解約後2年間は再加入しても、掛金が損金計上できなくなります。入金額はそのまま利益として課税されます。"

中小企業退職金共済制度(中退共) 従業員の退職金の積み立てになります。月5千円から3万円の範囲内で支払った金額全額が経費となります。従業員退職時には、退職金として中退共から直接支払われます。役員は対象外となります。
従業員賞与 期末までに従業員賞与を支払うことで経費計上が可能です。但し、役員に支払った賞与は、事前届出役員給与を除き、経費にはなりませんので、ご注意ください。
退職金 役員、従業員に退職金を支払うことで経費計上が可能です。役員の退任、従業員から役員への就任などが考えられます。
出張日当 出張旅費日当規定を作成することで、日当を経費にすることが可能です。実費精算をしない経費を日当で清算することが前提となりますので、経費の二重計上にならないように注意しましょう。また、社会一般常識として出張とは言えない近距離で日当を支払うことはやめましょう。
社員旅行 全社員の半数以上出席、4泊5日以内、1人あたり10万円程度の要件を満たすものは経費計上が可能です。但し、1人会社、親族のみ会社の場合には注意が必要です。
交際費 社外飲食費の場合には、1人あたり1万円以下のであれば交際費から除外することができます。但し、現実には中小企業の場合年間800万円までの交際費は全額経費計上が認められておりますので、実質的には関係のない法人がほとんどでしょう。また、社内飲食費や物品の贈答の場合には、適用外となりますので注意が必要です。
短期前払費用の特例 保険料等の役務提供の対価を継続的に支払う経費を年払いにすることで、経費計上が可能です。但し、継続適用が要件となり、資産の対価や売上原価等収益との対応が必要なもの、1年超の対価は対象外です。
在庫商品の廃棄 陳腐化して、売上が見込めない商品を廃棄することで経費計上が可能です。廃棄証明等保存をしておきましょう。
貸倒損失 回収が見込めない売掛債権等について、貸倒損失を計上することで、経費計上が可能です。但し、いつでも貸倒損失が計上できるわけではない点、内容証明郵便の証拠書類の保存が必要となる点に注意が必要です。
社宅 社宅の家賃を経費に計上できます。但し、一定額を従業員から徴収する必要があります。
少額資産の購入 青色申告の場合には、30万円未満の固定資産の場合には、一度に経費に計上できます。但し、年間合計で300万円が限度となりますので、ご注意ください。
中古資産の購入 法定耐用年数を経過している資産を購入した場合には、償却年数2年で経費計上が可能です。但し、30万円以上の固定資産の場合には、減価償却資産としての計上となるため、月割償却となってしまうため、期末間近に購入した場合には、経費計上額が少なくなります。
事業用資産の修繕 原状回復工事の範囲内であれば、修繕費として全額経費計上が可能です。但し、機能向上等原状回復を超える支出の場合には、新規に資産を取得したものとされ、減価償却費としての経費に計上(耐用年数にわたって分割して経費計上)となるので注意が必要です。
固定資産の除却・廃棄 会社の所有する資産を除却・廃棄等を行うことで、損失の計上が可能です。廃棄証明等を残しておきましょう。
含み損の資産の売却 有価証券、ゴルフ会員権、固定資産等含み損ある資産を売却することで損失の計上が可能です。

この記事を書いた人

横浜の会計事務所 田辺税理士事務所

田辺税理士事務所
税理士・社会保険労務士
田辺 悠一 代表

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