法人設立の検討段階ですが、税理士に依頼するタイミングはいつがいいですか?

法人設立前に税理士に相談するのがベストタイミングです。

登記する前にあらかじめ決めておくべき事項として、会社の種類、会社の目的、決算期、資本金の額等があります。司法書士に相談し、登記上は問題がなかったとしても、税務上問題になるケースが様々あるため会社設立前に税理士に相談するのが最適です。

会社設立後には、税務署等に対して届出を提出する必要がありますので、遅くとも、謄本(履歴事項全部証明書)が出来上がり司法書士から連絡があったタイミングですぐに税理士に相談しないと手遅れになる可能性も高いです。

また、稀に決算期を過ぎてから申告までに税理士を探そうとされる方もいらっしゃいますが、これは避けるべきでしょう。特に最近では、インボイス制度が始まり、会計処理や決算処理に費やす時間が増加する傾向にあり、また、会計事務所の人材確保が困難な時代になっており、申告直前に依頼があってもお引き受けできないケースもあります。そのような背景もありますので、会計事務所を探すことに時間がかかることを念頭に置いてなるべく早めに税理士事務所に相談するのがよいでしょう。

ここでは、設立登記前に注意すべき事項をまとめました。ご参照ください。

会社の種類 一般的には、合同会社、株式会社、一般社団法人の中から選択することになります。一般的な事業会社である場合には、株式会社をお勧めします。最近では、登記費用の節約等の目的で合同会社を選択される方も多いです。株式会社と比較して、登記費用を半額程度に抑えることができます。一般社団法人は借入の際に不向きですので、気を付けてください。
会社の目的 設立登記前に予定されている事業がある場合には、設立登記の段階で目的に加えておくべきでしょう。設立登記後に目的を追加する場合には、別途、登録免許税(印紙代)と司法書士報酬が発生します。また、一方で、営む予定のない事業までやみくもに目的を列挙するされる方もいらっしゃいますが、その会社の本来の事業がぼやけてしまうためお勧めできません。
決算期 自社の繁忙期である月は決算月にはしないようにしましょう。大きく売上が上がる月がある場合には、利益も大きくなりますので、そのような月を避けて決算期を選ぶことが大切です。

インボイス登録をしない場合には、免税期間がなるべく長くとれる決算期を選択する必要があります。

税理士事務所の繁忙期である12月決算や3月決算は避けたほうがよいでしょう。これらの月を決算月にすると、1社あたりに割けられる時間が少なくなってしまうためです。また、これらの月が決算月の会社さんですと、会計事務所によっては、お引き受けできないケースや割増決算料を請求されるケースもあります。比較的法人数の少ない、2月決算、4月決算、5月決算などがおすすめです。11月決算、1月決算も法人数は少ないものの、年末調整、確定申告と業務がバッティングしてしまうので避けたほうがよいでしょう。

資本金 インボイス登録をしない場合には、設立時の資本金を1,000万円未満にしておかないと、第1期から消費税の納税義務者になってしまいますので、注意が必要です。

法人住民税の均等割については、資本金等の額が1,000万円以下で従業員数50人以下である場合には、年額7万円(神奈川県横浜市の場合には、「横浜みどり税」を含み74,500円)となりますが、資本金等の額が1000万円を超えますと、年額18万円(神奈川県横浜市の場合には、191,700円)となります。

この記事を書いた人

横浜の会計事務所 田辺税理士事務所

田辺税理士事務所
税理士・社会保険労務士
田辺 悠一 代表

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